こんにちは。カバラン丸です。
PayPayアセットマネジメントが3月8日より発足、それに際してPayPay投信インデックスファンドシリーズが誕生します。
日経平均株価とNYダウに連動するインデックスファンドを第一弾として設定、業界最低水準の運用コストを目指すとしています。
実際に、新設する「PayPay投信 日経225インデックス」は信託報酬率を税抜き年0.13%(税込み0.143%)で設定、同じく「PayPay投信 NYダウインデックス」は信託報酬率が税抜き年0.18%(税込み0.198%)でどちらもノーロード型で業界単独最安値です。
ここで私が注目する点は新設するファンドをいずれも先ずはジャパンネット銀行とSBI証券で取り扱うという点です。
これは私が思うに楽天経済圏に徹底対抗したものと思われます。
つまり、PayPay投信はPayPay他ヤフー及びTポイント関連での囲い込みを図り楽天が形成しようとしている一大経済圏に対して徹底抗戦に出たのではないでしょうか。
楽天 | ソフトバンクグループ | |
ポイント | 楽天ポイント | Tポイント |
キャリア | 楽天モバイル | ソフトバンク/Yモバイル/LINEモバイル |
検索ホーム | 楽天(但しマイナー) | ヤフー |
銀行 | 楽天銀行 | ジャパンネット銀行→PayPay銀行 |
証券 | 楽天証券 | PayPay証券(但し株取引のみ)/LINE証券 |
投資信託 | 楽天投信顧問 | PayPayアセットマネジメント |
バーコード決済 | 楽天ペイ | PayPay/LINEペイ |
クレジットカード | 楽天カード | PayPayカード/Visa LINE Payカード |
保険 | 楽天生命保険 | PayPay保険/LINEほけん |
楽天グループに対してソフトバンクグループ(Zホールディングス/LINE)がオールマークでぶつけてきていることがわかります。
今後はPayPayと一部競合するLINEのサービスがどう変化し統合されていくのかが気になるところです。
というのも、楽天ペイもPayPayも日本国内だけのサービスですが、LINEペイに関しては海外にも既に進出しており、かなりの実績があるのです。特にタイや台湾では多くの市場を獲得していることから既に浸透しているLINEペイやLINEの認知度/ブランド力をPayPayブランドで統合することで削いでしまうのもどうかと思います。
ただ、PayPayとLINEが経営統合を果たしタッグを組んだ状況下で共通認識となるのは最大のライバルが楽天経済圏であるということ。そのため、先ずはジャパンネット銀行とネット証券最大手のSBI証券からのリリースとなったのでしょう。
気になるのはS&P500に連動するファンドを出すのか否か、という点です。何故ならばSBIはSBIバンガードS&P500で信託報酬最安値を出しており、ここに被せて出すとSBI証券とも徹底抗戦となってしまうからです。
個人投資家からするとコスト競争は大歓迎ですが、個人的にはNASDAQ100に連動するインデックスファンドを信託報酬0.2%台で出してもらうことを期待したいです。というのも、NASDAQ100に連動するインデックスファンドは現状0.5%前後とインデックスファンドとしては手数料が高すぎます。今の低コスト競争の中で唯一取り残されてしまっている感が否めないのです。
三菱UFJ国際が新設したeMaxis NASDAQ100もSlimシリーズではないので当然信託報酬は高くなります。他のブログ等では買いだーとか言ってるところもますが、私はインデックスファンドとして信託報酬が妥当な金額でないと買いたくありません。そのため私としてはナシです。
そのためPayPay投信に期待するのはNASDAQ100のインデックスファンドになります。
しかも現状から圧倒的な差をつけてのコストでのリリースを切実に期待します。
そして、ここで思うのは投資信託での資産運用を”楽天証券のみ”で回すことのリスクです。やはり複数のネット証券に口座を開くことでリスクヘッジになるのだな、と感じました。(これは楽天証券でSBIバンガードS&P500が現状買えないという事実からも分かることですが。)
そして、おそらくPayPay及びソフトバンクグループは自前ではLINE証券やPayPay証券で小口の(主にポイントのみを投資に回すような)個人投資家を拾いつつ大口の(クレカによる積立投資をするような)個人投資家を回収するため主にSBI証券とタッグを組んで展開するのでは、と思います。というのも、SBIグループのSBIとはSoft Bank Internationalの略なのですから。