こんにちは。カバラン丸です。
みなさん、明けましておめでとうございます。
2022年ですね。2020年3月に全世界を襲った新型コロナウィルスの猛威からもうすぐ2年経ちます。
コロナも変異が続き、未だに自由に行き来出来ない世界のままです。
そんな折、元旦に放送されたBS1スペシャル「欲望の資本主義2022 成長と分配のジレンマを越えて」を視聴しました。
www.nhk.jp
「欲望の資本主義2022 成長と分配のジレンマを越えて」 - BS1スペシャル - NHK
個人的なトピックスは以下の通り。
○「成長なき資本主義」のセドラチェクvs「脱成長共産主義」の斉藤幸平
・斉藤幸平、脱成長の共産主義
・チェコのトーマス・セドラチェク、資本主義内での改革、時に成長を鈍化させる脱成長の必要性
このセドラチェクvs斉藤幸平は対談の要約が東洋経済オンラインに載っているので是非見てみてほしい。
toyokeizai.net
セドラチェクvs斎藤幸平「成長と分配のジレンマ」 | 経済学 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
番組の構成は下の三つを皆さんどう考えますか?という感じですすめている。
・資本主義:成長
・社会主義:分配
・民主主義:生産性
個人的な感想としては、チェコのセドラチェク氏の考えに同意。
たしかに、オックスフォードのケイト・ラワース氏の提唱するドーナツ理論は面白い考えだなとは思った。
右肩上がりに成長しすぎるとそもそも地球自体が終わるよねっていう考え。
ただ、時間は相当かかるかもしれないが、それすらも解決して成長し続けるのが資本主義であり民主主義だとも思う。
それこそヨーゼフ・シュンペーターの言う資本主義は「創造的破壊」によって資本主義自身が変わり続けるから代わりがない。
ただ、資本主義はその成功によって、土台である社会制度が揺さぶられて存続不能に陥り人々が「必然的に」社会主義へと向かう状況となるって言う言葉は言い得て妙だなと。
それこそ、このコロナ禍で物事をスムーズに早く進めるのは共産主義の方が優れてるよね、とか。
ただ、
社会主義を生産に対する課税対策と定義して、
共産主義を財産を共有し自分のお金をどう使うかは中央権力が決める、と定義して、
その中で斉藤氏の話す共産主義と社会主義のミックスによる新たな別の制度(例えばソーラーパネルの市民による共同管理を拡大していく、など)はやはり理想論というか。
それこそシュンペーターも言っている権力の中枢やその周辺にいる人々は短期的な視点を取らざるを得ず、長期的な目標のために一貫して国益に尽くす事を至難の業となる
なんて、民主主義だけでなく共産主義にも当てはまるし、なんなら企業にも当てはまるでしょう。
スウェーデン等に代表される国民を助けて企業を救済しない、淘汰されるべき企業は淘汰される世界が日本には必要だよね。無理だろうけど。
それでも、マネックスがやろうとしてるアクティビストファンドとか、コモンズ投信のコモンズ30なんかは企業との対話から長期的視点に立って経営ができているか?って部分を見てる訳で。
日本も資本主義経済の成長に乗るために株式市場への投資という観点から少しずつ変わってきてるのかな、という実感はあったりする。
次のステージは日本だったら農家はある程度規模が小さくなる(=人件費が高いはずなのに企業が土地を買収して全自動で計画的に効率的に栽培されるアメリカ製の超安価な野菜とかにある程度駆逐される)べきだし、ゾンビ企業は市場からちゃんと退場してもらわなきゃいけない。つまりちゃんと淘汰されなきゃいけない。
東証1部がプライム市場になって少し市場に残り続けるための条件が厳しくなるのが改善点だけど、そこに着手されるまでに何年かかったんだよって感じ笑
個人的にはベーシックインカムのような考えは面白いし好きですよ。ただ、これをもって共産主義万歳とはならないし社会主義万歳ともならない。
斉藤氏は資本主義経済ではどこまで生産性があがっていっても仕事の奴隷だと言っていたけど、株式市場のキャピタルゲインを得て不労所得→FIREで退場できるのも資本主義経済のいいところ。
そして株式市場が正常に機能するのはヒト・モノ・カネの自由な行き来=グローバリズムが保証された世界。そして、これらヒト・モノ・カネのグローバリズムは共産主義では保証されていないということを今一度頭に入れて考える必要があるのかな、と思います。
最後にチャーチルの言葉で締めましょう。